空耳/
草野春心
ひかりが鉄柵をすべりぬけ
あなたの膝を白くよごした
煤けた骸だけがあるく目抜通り、
彼らのうたう寧ろふくよかな夜想曲に
暫し立ち止まったのだろうか、あなたも
なにを踏みにじっても平気なような顔をして
戻る
編
削
Point
(3)