碧鈍色の絵空/北井戸 あや子
 
空は透明に凍てついて
硝子を散りばめ蓋をする
僕らの眼はそれを見ている
凍てつき彩られいく様を
そうして
僕らは手を伸ばす
誰かは高い所まで行って
寒くて寒くて凍えるけど
でも誰かの大切な人を
あの空へ連れて行かれない様に
引き摺り降ろす様にして
僕らは空を叩き割る
砕けた空はパラパラ降って
また新しい空が顔を出す
そして僕らは見渡すんだ
さっき割ったこの空を
破片に浮かぶ花弁が
そこにある意味を
僕らは思い出す
ここに来た理由を
両手に余る想いを抱いて
沈み込んだあの日
この眼に溺れた
最後の青
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