へそと歴史(ボイン編)/角田寿星
はじめのズン類はふたりでした
手をつないでいたから間違いありませんでした
トリとサンサスンスンといいました
なまえをつけたがるのは神さまのわるいクセでした
ふたりのズン類は丘のうえに立ち
トリとサンサスンスンはたがいのなまえを呼びあい
朝陽を夕陽をみあげ歌をうたい見つめあって
ところでズン類はふた種類いるのでした
美しいとしかいいようのないふた種類の性器でした
それは神さまのおぼしめすところで
トリとサンサスンスンは神さまによく見えるように
丘のくぼみに横たわっておまんこをするのでした
さわやかな風がふくのでした
ズン類のふれ合う肌をしめやかになぞるのでした
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