蛇は夜を伝う/
北井戸 あや子
芽吹いたばかりの
彼女の傷を
生まれたばかりの
蛇が舐めている
いつか尾を噛み
不死となるのか
だけどこの利き腕に
円形を描く事はない
かなしき運命の反目だ
飢えつく皮膚に花ひらく
彩色無き刺青
それは艶かしき濃淡で
絡みついた蛇
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