ジェイソン・ゴールドウィン「夜のとばり」を読んで/花形新次
 
親子は
宛もなくただ
日の沈む方角、
「夜のとばり」に向かって歩き続ける

ここまで聞くと
コーマック・マッカーシーの「ザ・ロード」との
類似点を指摘する人も多いと思う
事実、ニューヨークタイムズのインタビューで
作者は「もろパクリです」と認めている

しかし、「ザ・ロード」の最後が
予定調和なある種のハッピーエンドなのに対し
本作は、餓えと寒さで死にそうになったとき
父親が息子に対して
自分が死ぬから
皮を剥ぎ寒さを、
肉を食べ餓えをしのげと告げ
銃で自死すると言う
アンチクライマックスとも言える最後で終わる

作者はこの最後についても
同じインタビューで
「ジャングル大帝のパクリです」と告白している

つまり、全編通じてパクリなのだ


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