ジェイソン・ゴールドウィン「夜のとばり」を読んで/花形新次
ジェイソン・ゴールドウィンの最新作
「夜のとばり」を読んだ
ジェイソン・ゴールドウィンと言えば
ビュリッツァー賞を受賞した
「魔の刻」が有名だが
本作はそれに負けず劣らず
壮大なスケールで読み応え十分の作品に仕上がっている
物語の舞台は
近未来のアメリカ
核戦争後を思わせる
荒れ果てた地で
男とその息子が
西に向かって歩いている
最後の夏
世界を破滅させた光を
直接浴びた時に聴こえた
"あのひと"の
「西に向かえ」という声
奇跡的に生き延びられたのは
"あのひと"の導きに他ならないと
その声を信じて
親子
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