頭蓋の空洞は囁く/ホロウ・シカエルボク
対的な感覚なんだ、死体の写真を漁り、欠損の概念を漁り、うんざりするような感情の羅列を漁り…きれいなものに涙することだってあるが、それはさまざまな穢れの中に顔を突っ込んできたからに他ならない、判りやすいフレーズに甘えたりなんかしない、世界の欠損に甘えたりなんかしない、自身の欠損に甘えたりなんかしない、争いは無限にある、ふっ飛ばすべき頭は無限にある、もしかしたらいつも、いつでも俺はそいつを吹っ飛ばしているのかもしれない、人生に理由を、意味を求める以上…求める以上形を成すことはない、昨日の真実は今日の戯言に過ぎない、垣間見た瞬間にフリーズしないことさ、すぐに次に来るものを目に留めることなんだ、永遠普遍の真実などない、死ぬまで生きているつもりなら決してそんなものを求めてはいけない、真実はいつだって強烈な影だ、日差しが傾けば生まれるところも変わるのだ―やあ!こんなクソみたいに寒い夜に俺のデスクには一匹の羽虫がご来訪あそばした!手のひらでそいつをぺしゃんこにしてもんどりうつ寝床に潜り込む…いつだって俺は寝つきが悪いんだ……。
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