鬱血/
北井戸 あや子
わたしに
ひとひらの
あかいろをにぎらせて
とおくなっていく
ちいさなはね
ぼんやりと
薄青い影色をみていた
ときたまうねり
わたしはちょっと
こわくなって
拠り所を探す
あたたかい
やわらかい
だけどここは
くらい
黙って見ている私を
罰する様に
右手の先から剥ぎ取られていく
あなたは独りよがり狂って
鼓膜に爪を掻き立てる
黙って見ている私に
何かを言ってほしいと
みだれた髪の隙間から
隠しきれない欲が
口開く
私を繋ぎとめたいと
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