明け方の夢/keigo
 

灯台の光がようやく
私を見つける
こんばんはなんて言わない
くるくると回転するのに
忙しそうだ

道を失った巡視船達が
遥か沖の水平線に吸い込まれてゆく
まるで落ちて行くように
音もなく呑まれる


世界の果てを思う
水平線の遥か向こうで
沢山の水クラゲが落ちて行くのが聞こえる

それはおそらく世界の終わる日
引力という鎖で繋がれた世界は
バランスを崩し
全てが孤独な星に変わる

僕らも為すすべもなく
孤独な星になり
月のように静かに
しめやかに泣く

それは明け方に見た
美しい悪夢

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