不明瞭の憂詩/
北井戸 あや子
夜の寂寞に
つめたくなった血管を
気紛れに溶かす、ぬるい血流
xxxxxx
押し付けられた
拡声器の声に
日常を遺棄し耽溺する男
羊小屋の傍らに伏す
三つの弾丸で飾られた女
絶え間なく啜らせた
赤土の上
世界のどこかで雨が降る
慈愛の味した雨ばかりが降る
xxxxxx
ただ怖い
夜色に
混ざり溶けたい
パラパラと崩れいくこの右脚のまま
曖昧なワルツと戯れ
はぐれみち
百足が
蛇の死骸を
犯している
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