ibis/
衣 ミコ
王は一筋の血の為に
無数の柩を用意した
百舌が早贄の為に選んだ
ネズを切り倒し
おもてに朱を塗った
流れる血を塗り潰すように
見えるか水平の先
東方に輝くあの孤島
時に幽閉されたかの地では
みな空ろな目をして
古代の太陽を呼んでいる
無数に並ぶ柩の上で
朱鷺が啼いている
呼応して深まる海という容
還る者の為に
儚い慰めの為に
朱鷺が哭いている
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