ふたり跳び/
佐藤真夏
ふるい駄菓子屋さんで買ってきた縄跳びは、のばした水飴みたいに、すぐにくずれていたからね、
私、縄が切れるのを待っていたんです
こつこつ続けるしかなかった、なんて、ずるいこと、いっぱい重ねてきたから、だ、もうなんだって愛せるからだ、底のほうで、跳ねる、空色の洋服
朝霜のなか、きみとふざけて駆け足をして、窒息しないように上手に転ぶ、スケートリンクみたいな十二月を埋めていく
愚かなものは、かなしくなるほどあたたかい、
ふたり跳びで夕暮れを迎える
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