ぼくには世界を救う力がない。でも世界を変えたいと必死に思う。/南無一
 
懐に抱いて 腐肉を喰らい 満腹の虚偽を膨らませるもの
世界は汚辱のウイルスに浸食されている
過剰生産、過剰消費、過剰廃棄という のっぺらぼうの戦場で
絶え間なく射殺され続ける精神
その地平線には ただ欲望という ねっとりと湿った風が吹いている
偽りの幸福の過剰のなかで 萎びた精神を埋葬する場所もない
照射する光は音もなく捩れ 耀きさえ見えない

世界は ただひたすら 空想する
色のない風の夢に 虹をかけよう と
世界は ただひたすら 幻想する
歌を失くした光の声に 音符をつけよう と

詩の企みのなかで 世界は世界を創造する

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