松央薫子「啓蒙」/花形新次
世の中って、不公平だと
子供の頃からずっと思っていた
器量の良い女の子👧は
ちやほやされて
そうでないあたしは蚊帳の外
家の中でもそう
話題の中心は美人のお姉ちゃん
あたしなんかいつも無視されていた
そんなのおかしい❗
世の中を変えてやる!
それからあたし、一杯勉強して
中学校の先生になった
社会科の先生に
人々の考えを変えるには
教育しかない
そう考えたから
でも、あたしひとりが
頑張ったって、たかが知れてる
無力感に苛まれていたとき
出会ったのが
日本啓蒙党だった
あたしと同じ考えの人が
こんなにいただなんて!!
これよ、これ!
あたしは直ぐに飛びついた
それからというもの
教師を続けながら
集会に参加したり
街頭でビラ配りをした
今は、何故か
平壌で日本語教師をやっています
喜び組には入れなかったけど・・・・
なんとか生きています
(松央薫子詩集「愛と平和と痛風と」より)
戻る 編 削 Point(0)