詩の種/乾 加津也
妙な果実がなる
葉には血が、根にも血を滴たらせ
南部の風に揺らいでいる黒い死体
ポプラの木に吊るされている奇妙な果実
ビリーホリデイが歌う有名な作品だがわたしは人権問題について自分の思想を直接的に語ったり詩の形を借りて訴えたりはしない。
不謹慎かもしれないが死体を果実と見た認識に興味がある。そうだ、死体は果実である。
人種差別とは別のところで、死体は果実となって風に吹かれなければならない。
ラウンドアバウト
マイルスデイヴィスではない。信号機のない交差点のことである。それでも一定のルールを守る限り事故は起きない。
これこそ不要なものを削ぎ落とした、秩序の簡潔な象徴
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