メール/
佐藤伊織
復号された珈琲に沈み込む
メールは上空から
ミリ秒単位で届けられ
カップの中に沈み込んでいく
届けられたメールの数は
誰も数えられない
世界中のメールを砂浜にならべて
一つ一つを裏返していく
砂浜を覆い尽くしたメールも
やがては波に流されて
海へ消えていくだろう
風に飛ばされて
空を舞うだろう
お前を届けたものは
どこから来たのだ
お前は誰なのだ
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