Love Letter/竹森
 

ぼせきのうえをかっそうする

(それは)

(ようやく)





「要約」

道端に吐き捨てられたガムを拾った老人はそれを口に含んだ。聞くところによると、昨日の落雷で家が全焼してしまったのだそうだ。どうやらこの街では毎夜、一か所に、それも決まって屋根の上に、雷が落ちるらしい。晴れた夜空のどこから雷が落ちてくるのか、今度訊いてみよう。と、私は道端に吐き捨てられたガムを拾って口に含んだ。今度老人に会ったら、このガムをプレゼントしてみよう。
これから私はガムを噛み続ける訓練をしなければならない。これから老人は青と訊かれたら赤と答える訓練をしなければならない。赤と訊かれな
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