Love Letter/竹森
「ようやく」
女の子の目蓋はどこまでも この丘に取り残されて馬と
落ちていく女の子の目蓋は 羊は交尾を始めるのだろう
どこまでも落ちていく2か か乾いたパンの形の雲と乾
ら1が引かれて0が残る女 いたパンの色が暮れ滲む空
の子の目蓋は永遠と眼球を の下まずはキスからはじめ
抱擁する/女の子の唇が落 てみてはどうだろうか手は
ちていく2から1が引かれ 握りようがないし/2から
て0が残る十月の桜の木の 1を引いて0になる唇を私
下で枯れ葉の地面を踏むみ は二匹に差し上げよう私は
たく押してみたなら液体が あの子の唇を宝石箱にしま
滲み出てくる唇その丘の下
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