死神と与太話でも/ホロウ・シカエルボク
を変えながら飛んでいくわけさ…受信しやすいような形になってさ」「うん」「つまり、大元はなんかこう非常にでっかいひとつの意思なんだな…それが神だ、多分ね」「あとはアンテナ次第ってことか」「そうそう、そういうこと」そこまで話したところでおれは眠くなった「ごめん」「もう話せない」「かまわんよ」「生きてるあいだは寝たり起きたり、しなくちゃな」「最後にもうひとつ教えてくれ」「死神が見えるってことはおれはもうすぐ死ぬのかな?」「うーん」「それはおれにも判らないんだよな」「基本的におれは死んでからのことばかりだからさ…今回のことは特例みたいなもんだ、まあでも」「もうすぐ死ぬやつにわざわざ事前に会いにきたりもしないだろって思っときなよ、ようはあんた次第だよ…全部あんた次第さ」「役割をなくしたときに死ぬんだよ、人間ってものは」そうしてやつはさよならも言わずに消えた、もしかしたらおれのほうがそこで眠ってしまったのかもしれない。
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