それは素直なひねくれ者/ただのみきや
 
所謂重箱の隅から目を離せない
目の中の塵から気を逸らせない
壊れたシンセサイザー
世界も自分も
本音も建て前も隠喩みたいで

晴れた日の公園より
嵐の夜の森に魅かれ
ハムスターよりも
ハムスターを呑み込む蛇が好きで
気味悪がられる子どものように

齢をとっても違和を積み重ね
中和吸収社会の外れの
風当りの強い塩の丘で枯れ果てて 
それでも棘を巡らすアザミのように
自分としか 言いようがないもの

幾通りもの破滅のシーンが繰り返される
世界の ではなく 自分の
ゾロゾロ虫湧く肉厚妄想遊戯!
どこに居たって場違い
故郷に居たって異邦人

冷笑は形状記憶
迷い込んだ浮かれた人の群れで
ひと房 死顔の蕾
あたたかな日に肩を震わせて
ひと気のない道ばかり選ぶのでしょう

どこかで
「――違う! 」
いつもこだまを聞きながら



       《それは素直なひねくれ者:2014年11月24日》







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