あまり面白くなかった日/番田 
 
るとは記憶を残すことだと思う


そんなことを考えながら 西新宿の
待ち合わせた場所で 女に
下着を売ってもらうと
金を握りしめて 女は去った
ふいにそれを握りしめると ほかほかと
まだあたたかかった下着
彼女はどこから来てどこに去っていくのだろう
彼女を愛していたご両親
親不孝な子どもだった彼女
生まれたときは可能性に満ちていたのだが
そんな僕も このまま一人で
死んでいくのだろう その 覚悟はできている
どんなに寒い 冬の空の下でも

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