あまり面白くなかった日/番田 
 

山手線や京浜東北線で
無数の乗り換えを繰り返しながら
カップルや友達同士のドアから現れる姿を
イスに座ってぼんやり見ていた
この先どうなるんだろうと
少し悲観した顔でいると
誰も隣に座らなかった
そして 電車は 走り出した
望むことは 無かった
車窓から見えた新宿の歌舞伎町
今はもう無い店で
学校の友達と昼ご飯を食べた
あの店の名前は 何だっただろう
もうそこにいた店員も
友達もその時のことは絶対覚えていない
覚えているのは僕だけだった
覚えていても
何の意味もないことばかり覚えていた
働いていると面白くない
システム化された日々を
送るだけ
生きると
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