罪/AquArium
 
なさと引き換えに
一瞬の温かさを全身で受け止めた翌朝

独特な柔軟剤の香りや
寝返りを打つタイミングを
覚えてしまって憎い

気怠さがあたしたちの罪を証明させる朝
カーテンから射す光のまばゆさに
また、目を閉じてしまう



ボトルキープしたウイスキーが
減ることはあるのか、
なんて思い浮かべたら最期

―どうせなら、
 複数いる彼女たちの中で
 一番になりたいの―

決して口には出さないですが


あたしのすべては
あなたのすべては
解らないままがちょうどいい

均衡を保つのに
その場限りの甘い言葉さえも不必要で
どんな眼でお互いを踏み抜いているのでしょう

笑ってしまうほど
滑稽な姿で重なり合っても
何を得られるでもなく、
体温だけが真実

決して嘘のない真っさらな夜明けを
あたしたちは信じている
いつでも、信じている

もともと正しさなんてないのだから
あたしも罰せられることはないね

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