五時/青井
 

まどろみのように
射し入る西日
木立を抜ける風
ざわめきと静けさの
煮こごり

枝葉のこすれる音は
まるですすり泣きのようだ
悲しいことでもあったのかい
こんななにもない夕暮れに


止まったままの
時計の秒針
路地を這いずる風
窓から浸み込む影の
灰色

枝葉のこすれる音は
まるで含み笑いのようだ
楽しいことでもあったのかい
こんななにもない夕暮れに

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