さるのがらんどう/吐水とり
垂れ下がるこうべ五十数個、
効きの悪い空調がため息と空咳を掻き回すのを不可動式の椅子に座って眺めた、
ノートと感度は真っ白け
夜光心理学概説b/後期金3
蛹谷 空二郎
隣のヨシザキの口に含まれた飴玉からLINEの着信音噛み砕かれて途切れ
コメントシートは何度もていねいに折りたたまれ鋭利な三角形になる、
教授は
糸を吐く
彼を纏うだけの糸を吐く
プロジェクタ光る
埋葬の儀式を映す
どこからでも黴びた匂いは寄ってくる
足元に伸びるアルファルファが「想像せよ、想像せよ」とささやくから
想像した
(巨大化したミトコンドリアが僕の口からぞろぞろ這
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