詩人四態/山人
 
ただ柔らかな手やごつごつした手で互いの性器に触れたり撫でたりしているのだ
だが、同性愛ではなく、あくまでも無機質に観察しながら触れている
性器の触手観察会が終わると、次に脳を見せ合う儀式が始まる
エナメル質の頭蓋を取り外し、粗脳だよ、とか、少し弾力は薄れているね、とかの話し合いの場がもたれる
血液検査もよく行われるようだ
骨粗鬆症の話も出てくる
それらの観察会が終わると、つぎは思考の競争が行われる




詩人が街を歩いている
シャツはチェックで
手にはソロバンを持ち
麻のマフラーを首に捲き
ひょろ長いキセルを咥えているのだ
頭全体が薄い樹のウロで出来ていて
所々
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