透明な声/ボロレシート
 
色褪せた
黴臭い絵葉書に
かつての
恋人へ向けて

近況と
思い出と
感謝と
文句を

編んで
正して
埃を払い
敷き詰めて

勇気の
すべてを
流し込み
届けても

過去の
ひとかけらに
満たぬ
ぼくは

きっと曖昧な
シルエット
数秒間のみ
重なる視線

過去の
ひとかけらに
満たぬ
ぼくは

きみだけの
きみの
夢さえ
汚せない
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