愛はくちびるから零れ腐る水/ただのみきや
横殴りのことば
ひ び 割れた
音 階
吹きっさらしのあなたの庭で
浮浪者のよう
わたしは 火を焚いて 鍋をかけ
煮ても焼いても喰えやしない
虹色の肝
転がして
あなたの宝石は
闇から覗く 下等な 生物の視線
冷血で幾何学的
不眠の河の下流域
やわらかな手足でわたしから盗む
秘めた 琥珀の沈黙
舌を
這わせ
解れ
させて
しどけない
朝の 目 論み
知恵の輪
互いを囚人にして
翼を広げたカーテン!
石化する二人称
《愛はくちびるから零れ腐る水:2014年11月30日》
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