* 夢夫、夜のユメ夫 */ヨルノテガム
 

 上を向いても

 消失する前に9分の一サイズの
 自称(ボク)が口の中から脱皮し生まれ
 また水位が関係を断とうとすると
 再び9分の一サイズの(ボクのボク)は脱皮し生まれ
 息を続ける、
 さらに〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 再度〜〜〜〜〜〜〜〜(ボクのボクのボク)は〜〜〜
 くり返しくり返しで
 溺れることはなかったが
 その記憶は小さくなり過ぎて 無くなる

 つまり、光線である。







 蟻の行列が右手の甲から
 腕肩、首ひとまわりして
 左手の甲へと行脚する

 蟻の隊長によると
 今夜はドビュッシー祭りでございやす と
 耳のそばで解説は流れた

 ばらばらの何百何千もの
 蟻の足音が 徐々に一つの重なりへと
 脈打たれると その細足の存在はなくなり消えて
 ドビュッシーの弾く音符の連なりへと様変わりし
 体中のツボに効いていった





 閉じた目をあけると、南風の朝だった














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