それからしばらくきみの吐息をきいた/吐水とり
 
き、ゆき、ゆき、だらんとほうりだした右足にもつもっていく、左足にもつもっていく、

他人のからだのようにながめていた
しかるひとはもういない
軽蔑するひとはもういない
「しんだらどこいこうか」
え?
「まだきめてないの」







つないだ手が
赤く赤くかじかんでいく


この世界で唯一の色だ
あか、
「赤、」


みえるだろ、
「みえるよ。」


「おやすみっていってから、すぐにはねむれないでしょ。
あなたのといきを聴きながらおきてるとたまらなくかなしいの」

ゆき。
まだふる。
ゆき。
もう
ぼくら
ないぞ

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