Lonely/桂
一枚挟んだ背中越しに
きっと俺と同じように部屋の隅で小さくなってる君がいる
俺がパイプ椅子を投げつけたのは
君が嫌いだったからじゃない
傷ついてる時に君が笑ってたから
君が花瓶を割ったのは
俺を憎んでるからじゃない
君が寒さに凍えている時に
一人 暖炉に手をかざしていたから
「死が二人を別つまで」なんて嘘
どうして神父は平然とつくのかな?
大木の枝から
木の実が一つ広大な土地に放り出されるように
誰もが突然この世に産み落とされ
世界の広さに怯える
ヘッドホンのボリュームを下げて
耳を澄ますと
大地に張り巡らした根が地下水を吸い上げる音が聞こえる
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