ひとつ 篩/
木立 悟
い 曇の握手
冷えてゆくとは 知りもせず
あやまちを背負い 消えてゆく
赦された日
片方を失い
光を見つけた
氷の下の
水を見つめた
空の上の
逆さの地から
すべての夜が
しずくとなって落ちてくる
見えない水
見えない水
花は花を透り
さらにさらに細かくなり
夜の味はますます濃く
人のものではない矜持をかがやかせてゆく
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