救済/xxxxxxxxx
方は恍惚の笑みを浮かべていた
モノクロォムの世界に住む貴方にとっては
それは芳しき楽園に違い無かったのだろう
だから僕は左耳を切って貴方に捧げた
左足の薬指を切って貴方に捧げた
左手の人差し指を切って貴方に捧げた
左眼を刳り抜いて貴方に捧げた
夜が来た。
黒いだけの貴方は美しくない。
だから貴方の右眼を刳り抜いた。
貴方の右脚を切断した。
貴方の右の腎臓を摘出した。
全て黒鍵のピアノを掻き鳴らした。
終わらない不協和音を撒き散らした。
黒い太陽は元には戻らないと確信した。
黒くなった白百合の園に除草剤を撒いた。
黒猫の屍骸を分解して並べた。
ハラの中の黒い澱が流れ出てきて、
それは夜に溶けて僕は拡張される。
黒いモノは全て僕になって、
だけど貴方は紅い眼を開いて、僕を終わらせてくれたね。
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