the rising sun/衣 ミコ
剣が
命を奪う為に存在したらお終いだからと
あの日
あなたは重いペンを持ち上げた
数十gの万年筆の先から
深い碧のインクが垂れて
その先に果てしない
一面の海が広がった
万物を産み出す原初を生み出す
あなたの眼差しが好きだ
その先に誰もが
新しい世界の夢を見た
言葉を紡ぐ者は
一個の神でなければいけない
その神に護れるだけの
明るい庭を持たなければならない
そこで大切な何かを傷付けたのならば
古いペンを捨て
新しいペンを探そう
と、
海面に揺れる光を掌にすくう
泥の中に輝く
それは金であった
地球では無い
天体、
星であった
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