外へ 夜へ/
木立 悟
手のひらの陽に震える音
花をなぞり
花を忘れる
ひとつを割っても
ひとつはつづく
水のなかの弦をつまびく
水のなかの指のように
流れを飛ぶ紋を呑み
うずくまる骨を抱く
木の象が緑の水を吸い上げる
門前の足跡が渇き うごめく
蒼わたる蒼
壊れかけた灯りが 花のように
一度だけ 一度だけ点いてゆく
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