オバサン/梼瀬チカ
 
がさつにカバンに突っ込んでいる二十代の女性だったりする
その後 四十才くらいの女性が
「頂いてもいいですか」と
ホソボソと尋ねているのを聞いて
きっとみんなオバサンなんだと思った
ひっきりなしに列車と車とひとが行き交う中
ベンチに腰掛け出社拒否している自分をもてあまして
携帯片手にどうズルするか
頭の中はどうすればミエミエの有給をとれるかでいっぱい
贅沢な退屈をもとうとして
見てしまえばわかる事
オバサンだ
気付かない所でオバサンは始まっている
朝の怠慢


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