手をとる/鵜飼千代子
 
をとる

立ちすくんでいるわたしの
手をとる

17年前
そのときわたしは30歳だった

蘇る様々なこと
その時に感じていても
素直に受け止めきれなかったあれこれ
しずかにしずかに
沁みてくる

手をとる

あの時わたしがしてもらった温もりを
わたしは誰かに手渡せるだろうか





手をとる

手をとる

生きている確かさを
交換する
瞳を見交わす




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