安楽死/竹森
僕に友達や恋人がいたら、きっと別の事を言っていた?
(似ている、似ていない、
(ばかり、結局、僕ら、
(居るのか、居ないのか、
(明らかに、したくなかった。
(踏切を、また、踏切を、
(何事もなく。
(琥珀色した、
(鼓膜が一粒、
(滴り落ちる。
(仏頂面の君を笑わせる、
(それが僕の、
(最後の特技だ。
大学のラグビー部で万年補欠であるケイトは、パンクした自転車を肩に抱えて、かき氷をスプーンで突ついた様な、まだ新鮮な音の鳴る芝生の上を軽快なステップで歩いていた、から始まる物語を綴ろうとしてやめる。
ここの芝生はいつだって深夜3時だ。危険な予感がする
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