そこにいて黙ったまま/中村 くらげ
 
嗚呼 朝から 3度目の浮遊
けたたましくアラームが鳴る

嗚呼 あれから 何度目の冬
毛玉だらけのセーターを着る

嗚呼 傘から 積もった露が降る
穢れた水溜まりになる

僕らの声に気付いてほしい

その目を凝らして見付けてほしい

嗚呼 過去から 古い手紙が来る
宛名は無く 直(じき)に届く
戻る   Point(0)