ほんにんれき/nemaru
 
けるか。 なぜ自分は親のくれたものを組成しきれず、すべてを捨てて、 一人で地面を歩いて、別の場所を探さなければならないのか。 全員がそうなら、考える必要も、怒る必要もなかっただろうか。 自分のなかに、肯定できる何かをひとつ見つけるだけでいいのかもしれない。 もう「原点を考えずに済む」「組んだ足場の事を忘れる」方法がほしい。 何度もスタート地点に戻らないでほしい。思考が。 進まない考えの、堂々巡りを。時間の無駄を。 単純に言えば「疑いの余地がない」過去と、今が欲しい。 真人間になりたい。

アルバイトを始めて、 ひきこもっていた頃には考えられない事があった。 「もうないだろう」と思っていた事。
[次のページ]
戻る   Point(3)