ほんにんれき/nemaru
そのぶん、人と一緒に楽しむという事ができるので、それは偉いと思う。 しかし、あまりにも前に進まなくなってしまった。 自分が知らず知らずに、そういう姿勢になるように仕向けてしまったのかもしれない。 自分は、人を駄目にしてしまうのかもしれない。 悪いところを人に預けながら、 記憶を預けさせながら、先に進んでいく。 帰ってくるためかもしれないし、軽くなるためかもしれない。 彼女と重なって見えていた期待を、形のないものに戻す。 そう遠くない未来に、もう一度それを見て、歩く。 それだけなのにつらい。 引き剥がすのが悲しい。 直結している血管や温度を抜き取って、奪い去ってしまう事が怖い。 それが新しく誰かに息
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