ニューハーバー/草野大悟2
が描かれていた。
十畳程のワンルームマンションのあちこちにイルカが泳いでいた。海の中のような部屋で、智子はユタカと初めて抱き合った。
ユタカは、たまに自分の絵が売れると子供のようにはしゃいだ。その金を持って飲みに出かけ、見ず知らずの客に奢っては、夜遅く上機嫌で帰ってきた。
気晴らしだ、と競輪や競馬に出かけ、昼間から酒を飲んでは、仕事を休むようになった。
ユタカの眼や皮膚が徐々に黄色みを帯びてくるのにそう時間はかからなかった。いくら病院に行くように勧めても頑として拒否した。
結婚四年目の冬、ユタカは自宅マンションで倒れ、救急車で病院に搬送された。それからわずか一週間後にユタカは死
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