ニューハーバー/草野大悟2
 
画質がいいとはいえなかったが、女が遠山渚であり、男が西橋であることを判別するには十分すぎるほどだった。
 泣き叫び、必死の形相で抵抗する渚を、薄笑いを浮かべた西橋が犯していた。
「西橋さん、どうです? これでも、『合意の上だった』、そうおっしゃいますか?」
 穏やかな口調の裏に山下の絶対の自信が窺えた。
西橋は、唇を噛みしめ山下を睨み付けた。
「僕は認めない! こんなDVDなんか絶対に認めない! 彼女が頼んだんだ! 彼女の望みどおりにしただけだ!」
「西橋先生、認めない認めないって言ってもねぇ。こうまではっきり映っていちゃどうしようもないでしょ。どうです、もう、そろそろ、本当のこと
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