『サフランの髪飾り』/座一
 
根が尽きるまで、イナフは叫びきった。
まるでこの世のすべての傷を、請け負ってしまったかのように。
そして底冷えする朝、いつのまにか泉は消え、錆びた砂の中にすべて吐き尽くすと、上に新しい砂をかけて、痛みのすべてを埋葬して祈った。

光、聴こえるかい?
ぼくは、間違っていたらしい
すべてが幸せになれるなんて
夢のまた夢のはなさ

どのぐらい欲しがって どのぐらい愛しただろう
どのぐらい痛ましく どのぐらい燃え尽きるのか
それは祝福の鐘鳴りやまぬ結婚式であり
誰よりも遠く忘れ去られた葬式だった


光よ・・・
ぼくの名を呼んでくれ・・・

もうすぐ この季節が死んでし
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