氷片に落ちるキャンディのエリザベラ/
佐久間 肇
ない
歌わないわって言ったら わたしは今でもおじさんに犯される
うるさい小鳥ね 身分不相応で、羽を毟られてしまったのね
大きな躯は 羽ばかりが落ちてきて あなたの喉を圧迫してるわ
奏でられない歌が あなたとあの人の間にも
鍵括弧
唐突に 静まり返っていく夜のいとまに手を伸ばす
掬っては逃す 水を躯に移し替えて お腹の辺りで
ぽちょーん ぽちょーん と間の抜けた音が響く
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