氷片に落ちるキャンディのエリザベラ/佐久間 肇
 
唐突に ざわめき始めた夜のいとまに手を伸ばす
鍵括弧と 鍵括弧の中に押し込めてしまう
かなしみや さみしさを
あなたは知らず
いいえ 知ろうともせず
いいえ 知ることもなく
恨むくらいなら 愛してみせるわ と言って飲み干す
今夜 あなたとわたしの鍵括弧の中にできた窪みに 溜まった水を

ごくり
    ごくり
        ごくり
            ごくり
                ごくり
                    ・・・

 手が冷たいわ こんな真冬なのに
 どうして馬鹿みたいに原色の小鳥が飛ぶの?

あんなに必死に羽ばたいて

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