熾きをみつめて(八)/
信天翁
青い春の 赤い夏の
賑わった滞在地は フェードアウト
おいらはリグレットを噛み潰し
いまや 熾きをみつめて感じている
秒針が刻む一分間の 長いこと を
長針が流す半生の 短いこと を
そして それと同時に
黒い内耳が震えはじめている
乗り継ぎ駅での
あの白くなった雑踏によって
終着駅での
そのセピアとなった残響によって
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