水面に垂らした絵具みたいに ほか3篇/きりえしふみ
 
知っているだろうか?
本物の軟弱者とは ぼぐのことで
ぼくの実権を握っているのは きみであることなど


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  違う空は同じ空


まるで幼い子供が親を想うよう
見返りなんて気にしない
自分のことなんて振り返らない
今日が晴れであっても
激しい雨と風に視界が遮られても
ただ一途に同じ空を見上げてる
同じあなたを眺めている
あなたが泣いても笑っても
その下にはきっと同じ人が佇んでいる

まるで幼い子供が隣の子を想うよう
静かに心はあなたに寄り添う
自分のことなんて気にしない
こんな穢れのない想いが
まだ私にも残っていた

明日青空が広がっても
雪が世界を覆っても
変わらずあなたを思っている

七変化する表情の奥の方で
私たちの大空が悠々と閃いていた


(C)kirye shifumi 2014/11/9
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