水面に垂らした絵具みたいに ほか3篇/きりえしふみ
水面に垂らした絵具みたいに
水面に垂らした絵の具みたいに
ぼくらの想いは留まることなどないのだけれど
異なる2つの色がきれいに混じり合うみたいに
異なるぼくらの手と手が重なりあう内は
ぼくの心を伝えようと試みる
きみの心に耳寄せようと思う
水面に垂らした2色の色のように
ほんとうは1つにはなり得ない
変わりゆくぼくらではあるにせよ
〜〜〜〜〜〜
「生きている」らしきもののあいだで
「分かっている」
ううん
ほんとうのところは
分かってなんかない
「信じている」
ううん
ほんとうのところでは
願掛けしているに過ぎないのかも
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