にがいしわぶき/信天翁
 
       裏庭のベランダや
    玄関先の三和土にむかい
      冬将軍を気づかって
保温に専念する 晩秋のお日さま
            そして
    貧しい庭のわくらばには
    木の芽どきのいろつやへ
 多少なりとも もどれないかと 
        ほほえんでいる
      そのいじらしさ と
         けなげさ に
   おいらは おもいもかけず
     水っぱながたれていた
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